日本経済新聞 2009/6/24
米・EUが中国提訴 WTOに「鉱物輸出を制限」
米国と欧州連合(EU)は28日、中国が鉄鋼・金属製品などの原材料となる鉱物などの輸出を制限して国際競争をゆがめているとして世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。米国の対中提訴は今年1月にオバマ政権が発足してから初めて。
WTO協定では輸入だけでなく、輸出についても数量制限を原則として禁止している。自国企業への優先配分で国際競争をゆがめるためだ。2001年の中国のWTO加盟では、輸出制限の是正が条件となっていた。
| 年間生産量 | 中国生産シェア | |
| ボーキサイト | 2億トン | 16% |
| 亜鉛 | 1100万トン | 33% |
| マグネシウム | 81万トン | 87% |
日米欧 「競争ゆがめる」 調達への影響や価格上昇に懸念
EUによると、中国は亜鉛、ボーキサイト、マグネシウム、マンガンなどに10〜70%の輸出関税を掛けているほか、輸出数量を制限する品目もある。さらに輸出できる企業を限定したり、輸出契約や輸出価格の調査・承認を求めたりするなどの規制を導入している。
資源を武器に 中国優位狙う
中国政府は亜鉛や蛍石、マグネシウムなどで世界最大規模の生産量を誇る。2005年からは世界市場での長期的な主導権の確保を狙って、戦略的な鉱物資源について、生産から備蓄、輸出まで総合的に国家が管理する体制も敷いている。
こうした政策を受け、09年の蛍石の輸出枠は06年比で2割強削減。ボーキサイトや炭化ケイ素、主要なレアメタル(希少金属)も輸出枠を削った。
中国政府は22日、7月から黄リンや一部レアメタルの鉱物資源の輸出税の引き下げを表明した。
2009-06-24
MOC: China's export policy in line with WTO rules
China's export policy is in line with the World Trade Organization rules, said an official with the Ministry of Commerce on Wednesday.
Export restriction on some industrial material aims to protect the environment and the natural resources, he said.
一部製品の暫定輸出関税を調整 7月1日から
国務院関税税則委員会の審議と国務院の承認を経て、今年7月1日から一部の製品を対象として輸出関税が調整される。外需の安定化を促進し、輸出構造の調整をはかるための措置だ。小麦、米、大豆などの穀物製品、硫酸やスチールワイヤなどの工業製品の暫定輸出関税が取り消されるほか、微細タルク粉末、中小型鋼材、一部のフッ素化学製品、一部のタングステン、モリブデン、インジウムなどの有色金属(非鉄金属)およびその中間品製品などの暫定輸出関税が引き下げられる。
Export taxes for indium
and molybdenum would be cut from 15 percent to 5 percent; tax on
some steel and tungsten products will also be reduced to 5
percent from 10 percent, and export tax on wheat, rice, soybean
and sulfuric acid will be scrapped, according to the Ministry of
Finance website.
また化学肥料業界の安定的な運営を促進し、農業生産を支援するため、化学肥料や化学肥料原料の輸出関税が調整される。黄リン、リン鉱石、合成アンモニア、リン酸、塩化アンモニウム、重過リン酸石灰、二元素複合肥料などの製品の特別輸出関税が取り消され、黄リンについては20%の輸出関税が、その他のリンやリン鉱石などについては10%から35%の暫定輸出関税が、それぞれ課されることになる。合成アンモニア、リン酸、塩化アンモニウム、重過リン酸石灰、二元素複合肥料などの化学肥料製品(工業用化学肥料を含む)については、10%の暫定輸出関税が統一的に課される。尿素、リン酸1
アンモニウム、リン酸2アンモニウムは閑散期輸出関税率の適用期間が延長され、尿素は1カ月、リン酸1アンモニウムとリン酸2アンモニウムはそれぞれ1カ月半延長されることになる。