2009/10/17 日本経済新聞夕刊

生活習慣病・がん 皮膚のガスから診断
 キヤノンなど開発着手 痛み伴わず

 キヤノンと国立循環器病センター研究所の共同チームは、皮膚から出る微量ガスを調べて病気を診断する新型装置の開発に着手した。皮膚表面に当ててガスを検出・分析するもので、血液検査のように痛みを伴わない。3年後をメドに試作装置を完成させ、糖尿病をはじめとする生活習慣病やがんの早期発見などに役立つ医療機器を目指す。
 病気によっては特有の微量成分が皮膚などから放出されている。糖尿病だと、皮膚からのガスにアセトンという物質が1PPM(PPMは100万分の1)ほど含まれるほか、乳がんや頭けい部がんの患部からは、ジメチルトリスルフィドという物質が出ることが分かってきた。このため、嗅覚が優れる犬を使い、がんを発見しようという試みもあるという。
 共同チームが開発する装置は皮膚に数分間当ててガスを採取し、病気の可能性を調べる。国立循環器病センター研究所が作ったガス採取装置を応用し、まず糖尿病の診断を目指して、手の甲など体のどこから採取するのが最適かを調べる。そのうえで高脂血症など、ほかの生活習慣病も診断できるように改良する。
 キヤノンはエックス線装置や目の検査装置などを扱っており、医療分野を重要な事業と位置づけている。皮膚ガスの診断装置は新たな診断技術として需要が大きいと判断し、共同開発を決めた。